「千葉・関東地域社会福祉史研究会」結成の趣旨についてT.「千葉県社会事業史研究会」の経緯「千葉県社会事業史研究会」が植山つる教授、長谷川匡俊同研究会代表(現淑徳大学学長)らにより、1975(昭和50)年5月淑徳大学(現千葉キャンパス)に結成されて、今年でちょうど31年目に当たります。 この研究会結成の目的は、大学の所在地域・千葉県の社会事業関係史・資料を調査・収集し、研究をとおして地域の福祉変遷や特徴を実証化し、県下の福祉向上にも寄与したいとするものでした。結成当時、府県レベルでいくつかの社会福祉史が刊行され始めた頃であり、当面する社会問題や福祉問題を視野に入れた地域レベル福祉史の調査・研究は、全国的にもいまだ二、三を数えるのみで、まさにこの分野の開拓期でした。 千葉県社会事業史研究会結成当初の成果として『千葉県社会事業史年表』[T](1977年2月)を刊行いたしました。この年表刊行を機に、千葉県下の社会福祉関係者はじめ他大学研究者、また淑徳大学関係者(教職員・卒業生ら)の入会・賛同や協力を得て、1979年9月に機関誌『千葉県社会事業史研究』を創刊し、初期には年間2号を発行するというハードな計画を実行していました。この間機関誌による研究の成果、史・資料や人物誌の紹介などをまとめ『人物でつづる千葉県社会福祉事業のあゆみ』(1985年12月 崙書房刊)を発行し、成果の一部を公表してきました。またこれと併行して「千葉県社会福祉史年表」を追加作成するとともに、県内福祉施設や寺院、あるいは地域で永年にわたり維持保管されてきた地域文書などの資料調査を精力的に継続し、機関誌をとおして報告・紹介してきました。この機関誌も昨年までに31号を数え、地域福祉史研究誌としてはわが国でも長期継続の部類になっています。 U.「千葉・関東地域社会福祉史研究会」の結成の趣旨『千葉県社会事業史研究』の発行を31号まで継続してきたことを節目に、これまで対象地域を千葉県に限定してきましたが、首都圏域・関東地域に拡大して研究の深化・発展を期したいとの意向があがってきました。急速な都市化や法制の改編で福祉法人・施設の移転・再編にともない史・資料の多くが散逸・処分されおり、また福祉の経営形態や運営方法が、公立公営から法人委託へ、施設収容から地域支援へなど、福祉現場の改編・移行にともない地域の基本資料保存が急務であること、などのためです。 このような時代の動向と資料保存の危機に対応するため、千葉県をはじめ関東五県(埼玉・茨城・群馬・栃木・神奈川)、および隣接の山梨・静岡なども含めて調査・研究や史・資料発掘・保存の地域を拡大し、名称を「千葉・関東地域社会福祉史研究会」に改めて、調査・研究の人材を新たに募り、組織を再編成いたしたいと企図しています。この研究会の目的は、
|
|||||||||||||
2019.
All Rights Reserved. |